2017年3月22日水曜日

鋼コンクリート合成床版とは!?

先週から今週にかけて、橋桁の上に合成床版の底鋼板を架設しています。
合成床版架設
合成床版架設
床版とは? 自動車などの荷重を直接受ける部分です。荷重を受けても走行に支障をきたすような変形を起こさず、荷重を橋桁に伝える役目をしています。
床版の種類としては、鉄筋とコンクリートを組み合わせたRC床版や鋼を用いた鋼床版などいろいろですが、この現場では、鋼とコンクリートを合成させた鋼コンクリート合成床版が用いられています。
鋼コンクリート合成床版とは

2017年3月17日金曜日

なぜ橋桁を塗装するの!?(現場塗装)

前回は、工場での塗装について書きましたので、今回は現場塗装についてふれたいと思います。
橋桁を高力ボルトで接合する添接部は、接合後に現場で塗装します。

塗装の流れについて
下記に現場塗装の流れを説明します。
①素地調整(動力工具)
 トルシア形高力ボルトのピンテール破断部は、鋭利な形状となり塗料が付きにくく塗装不良の原因となるため、グラインダー等で平滑に仕上げます。その後、ワイヤーブラシが付いた動力工具で素地調整します。
破断部の処理(グラインダー)
素地調整(動力工具)
動力工具用ワイヤーブラシ
素地調整後
②高力ボルト防錆処理(有機ジンクリッチペイント2回塗布)
 防錆処理されていない高力ボルトを使用するときは、有機ジンクリッチペイントを2回塗布して、防食下地を図ります。
有機ジンクリッチペイント塗布(刷毛)
現場塗装では、工場のように専用の塗装小屋を設けることは難しく、十分な養生を行えないことが多いため、刷毛を使い塗装しています。
③ミストコート(変性エポキシ樹脂塗料下塗)
 気温が低いため、低温用塗料を使用しています。
変性エポキシ樹脂塗料低温用塗布(刷毛)
④下塗り(超厚膜形エポキシ樹脂塗料 150μm×2回塗布)
 添接部の下塗りには、塗装作業の不十分さを補う意味や、長期耐久性に必要な膜厚確保のため超厚膜形エポキシ樹脂塗料を使用しています。
(下塗り以降の作業は、本現場ではまだ施工していないため、他工事の写真を使用しています。そのため、色が変わっていますがご了承下さい)
超厚膜形エポキシ樹脂塗料塗布 1回目(刷毛)
超厚膜形エポキシ樹脂塗料塗布 2回目(刷毛)
⑤中塗り(ふっ素樹脂塗料用中塗 30μm塗布)
ふっ素樹脂塗料用中塗塗布(刷毛)
⑥上塗り(ふっ素樹脂塗料上塗 25μm塗布)
ふっ素樹脂塗料上塗(刷毛)
添接部で塗装の膜厚を全て合計すると、355μmとなり、約0.36㎜ということになります。

添接部は、凸凹していて塗料が付きにくく、一般部に比べて弱点となりやすいので、超厚膜形の塗料を使い、一般部に比べて膜厚が厚くなっています。また、ボルトのナット廻りは狭く動力工具がまわらなかったり、塗料が完全に塗布されない恐れがあるので、小さいワイヤーブラシを使ったり、小刷毛を使って作業を行い、細部まで十分に塗料を塗りつけるようにしています。

2017年3月14日火曜日

なぜ橋桁を塗装するの!?

本橋は鋼で製作されています。鋼は鉄の性能を人工的に高めた金属です。しかし、鋼に何の処理もしないと鉄と同じく酸化して錆びてしまいます。
そこで、塗料を表面に塗り重ねることにより、腐食の要因となる酸素・水分・塩分を遮断して、橋桁を腐食から守ります。
腐食したボルト
塗装の流れについて
塗装の大半は製作した工場で行います。下記に一般部の塗装の流れを説明します。
①素地調整(ブラスト処理)
 塗装の仕上がりを良くするために、研掃材と呼ばれる鉄粉を吹付けて鋼材表面の油類・ほこり・ゴミを除去します。(鉄粉が舞ってしまうため専用の小屋のなかで行います)
ブラスト前
ブラスト後
②防食下地(無機ジンクリッチペイント 75μm塗布)
 水や塩分などの腐食性物質を遮断する性能を上げます。
(スプレーにて塗布するため、飛散しないように専用の塗装小屋で作業します)
添接部は、この状態で現場に搬入します。
無機ジンクリッチペイント塗布(スプレー)
③ミストコート(エポキシ樹脂塗料下塗)
 防食下地は多孔質であり、下塗塗料を直接塗り重ねると発泡してしまうため、それを防ぐため塗布します。
エポキシ樹脂塗料下塗塗布(スプレー)
④下塗り(エポキシ樹脂塗料下塗 120μm塗布)
 鋼材や防食下地と密着して、腐食要因である水・酸素・塩分などの浸透を抑制します。
エポキシ樹脂塗料下塗塗布(スプレー)
⑤中塗り(ふっ素樹脂塗料用中塗 30μm塗布)
 上塗りの塗装不良をなくすために、上塗り塗料に近い色で密着性のよい塗料を塗布します。
ふっ素樹脂塗料用中塗塗布(スプレー)
⑥上塗り(ふっ素樹脂塗料上塗 25μm塗布)
 水・酸素・塩分に直接さらされるので、耐水性・耐候性の強い塗料を塗布します。
ふっ素樹脂塗料上塗(スプレー)
塗装の膜厚を全てを合計すると、250μmになります。
1μm(マイクロメートル)は、0.001㎜ですので、0.25㎜ということになりますね。

このように、さまざまな塗料を塗り重ねることにより、塗装膜全体で橋桁を腐食から守っているのですね。

次回は、現場塗装の流れについて説明したいと思います。

2017年3月9日木曜日

現場塗装工事開始!!

今週の初めから塗装工事がスタートしました。
塗装の大半は製作工場で行いますが、橋桁の添接部(ボルトで橋桁をつないだ部分)は、連結作業後に現場で塗装します。
ボルト破断面処理
素地調整(動力工具)
上の写真は、塗装をする前の素地調整の写真です。ボルトの破断面は凸凹していて、その上に塗料を塗ってもはがれやすいため、グラインダー等の動力工具でなめらかにします。その後、ボルトに付いたサビ等を落とすため、先端にワイヤーブラシが付いた動力工具でボルト全体を磨きます。
素地調整完了
そうすると、上の写真のようにピカピカになります。磨いたボルトは放っておくと、またサビてしまいますのでボルト部分を塗装します。
ジンクリッチペイント塗布
磨いてから4時間以内に塗らなければいけないという決まりがあります。

しばらく塗装工事を行っていますので、次回は塗装についてくわしく紹介します。
お楽しみに!!

2017年3月3日金曜日

ベント解体!!

先週で高力ボルトの締付けが終わったため、今週はベントの解体を行って吊り足場を全て復旧しました。
ベント図
ベント解体状況
架設完了しベントの上空がふさがれているため、小分けに解体し、橋桁の間から吊り上げ撤去していきます。
足場復旧
解体後、足場を復旧します。
来週からは、現場塗装と巻立てコンクリートを開始します。