2017年1月28日土曜日

橋桁の連結方法について

前回ふれたとおり、橋桁の連結は高力ボルトで摩擦接合します。
高力ボルトとは、高張力の鋼で作られた強度の高いボルトです。摩擦接合とは、高力ボルトを使用して、橋桁と添接板を高い軸力で締付けることにより、両者の接触面に生じる摩擦力で力を伝えようとするものです。
トルシア形高力ボルト
トルシア形高力ボルト(TCB)とは、先端のピンテールと呼ばれる部分が、必要な締付けトルクが得られると破断するようになっているボルトです。ピンテールの破断により、締付けの完了が容易に確認できるという大きな特徴があります。

・TCBのピンテール破断までの流れ

  1. 一次締め・マーキングの完了したボルトに専用締付機(シャーレンチ)をはめこみ、締付開始する。
  2. 必要な締付けトルクが得られると赤線部分でボルトが破断する
  3. 機械を外して、破断した部分(ピンテール)を除去して、次のボルトへ。


・TCB施工手順

①橋桁を添接板で挟み、仮ボルトとエスパーピンで連結。(全体本数の1/3以上の仮ボルト+ピンで締付) この添接板は、48本ボルトが入るので、16本以上必要!!
①仮締め状況
②仮ボルト・ピン以外の所にTCBを挿入し、一次締め及びマーキングする。(一次締めとは、60%程度の力で締付けること。マーキングとは、締付け後の共廻りを確認するために、写真のようにボルト・ナット・座金に1本線でマークすることです)
②一次締め・マーキング
③残っている仮ボルト・ピンを抜いてTCBに交換し、一次締め・マーキングする。
③マーキング完了
④専用締付機(シャーレンチ)を使用して、本締めを行う。締付ける順序は、矢印の方向のように真ん中から外に向かって締付けていきます。
④本締め
⑤全てのピンテールが破断し、本締め完了です。本締め後、共廻りしていないか、マーキングを見て確認します。(共廻りとは、ナットと座金が一緒に廻ってしまうことで、共廻りすると必要な締付けトルクを得られません。そのような場合は、共廻りしたボルトを撤去して、締付け直します!!) 写真のような状況は、正常に締付けられたボルトです。
⑤本締め完了

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